2012年8月9日木曜日

ホウ酸の防蟻剤の特徴

今日は、ホウ酸の防蟻剤の特徴を簡単にまとめましたのでご紹介します。

《ホウ酸の防蟻剤の特徴》

 今まで一般的に使われている薬剤と違い、匂いが無く、直接、肌で触れても安全で、防蟻剤としての効果は長期間持続します。

 ホウ酸は、カリフォルニア州やトルコで大量に採掘される天然鉱石ですが、海水、淡水、岩石、土壌、また、すべての植物にも含まれています。

 植物にとってのホウ酸は、必須微量栄養素のため、ホウ酸が無ければ枯れることになります。
 日本では、肥料として3000トンも使われているほど重要なものであり、私達の身の回りのあらゆる所に存在しています。

《効果のプロセス》
 ゴキブリ、クロアリ、シロアリなどの腎臓を持たない下等生物は、ホウ酸を摂取し、それが細胞に到達すると、ホウ酸塩濃度が上昇し、エネルギー代謝がストップし死滅します。
 つまり、木部にホウ酸処理を行うことで、その環境での生存ができず、結果、木部を健康のままに保てることになります。


 一方、人間などの哺乳動物が摂取した場合、細胞に達する前に尿で体外に排出されるので、毒性は低く、安全に使用できます。

 その効力は、京都大学、ハワイ大学、Fornintek研究所で共同研究された資料によると、CCA(昔使われていたヒ素を含む保存剤)という強力な保存剤と同等の効力があることを確認することができます。

《日本で使われている農薬系の防蟻剤と比べて》
 日本での木材保存剤は一般的に農薬です。
 その農薬成分は、わずかながら蒸散しつづけ、健康を害す恐れがあり、また、3~5年ですべて蒸散しつくし、無処理状態になります。 
 つまり、3~5年毎に再処理が必要となります。
 一方、ホウ酸は、蒸散することはありませんので、建物内の空気を汚すことはありません。

 農薬は早期に分解されることを義務付けられています。
 木材保存剤も農薬系であれば、3~5年で分解されるようになってるのです。
 つまり上記理由により、5年毎に再処理をする必要があり、再処理を行う度に費用が発生します。

 ホウ酸は、無機物なので分解されることがなく、長期に渡り効果を持続させます。
 つまり、再施工の必要が全くありません。

 
 しかし、ホウ酸にも弱点があります。

 農薬系は水に溶けませんので外部で使用することが出来ます。
 一方、ホウ酸は水に溶けますので、外部で使用することが出来ません。

 つまり、雨にさらさず、地面に直接触れないという条件下で使用することでパワーを発揮することができます。
 プロの施工スタッフは、ホウ酸処理を行う場合、雨にさらさない養生、もしくは撥水剤を使用して施工を行うので、心配をすることはありません。

ちなみに農薬系は、様々なものがありますが、毒薬劇物取締法で指定される有機溶剤の使用をすることがあり、その場合はきつい臭いがします。
 施工現場で、防蟻処理をしていると、大工さんが現場から退避するのは、きつい臭いがすると共に、農薬を直接吸い込むことを恐れているからです。






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